あれも時間、これも時間

深夜から雨。
この夏以降は何をして過ごしていたのか記憶があやふやなまま、年の瀬を迎えた。
「ありがとう」を口にしたり、積極的を装って人に話しかけたりするものの、ずっと同じことが体の奥から離れない。
外側は古くなるばかりなのに、同じ強さでヒリヒリ覚醒している。
鼓膜をワンワンと揺さぶる蝉の鳴き声のような想いが、どうしても離れない。
夏を思うのに、体が悴むなんて。