なぜ、許すのか?

今週のニュースのヘッドライン、米タイム誌の「影響力ある100人」の続きが何となく気になって「TIME」へ。
http://www.time.com/time/2005/time100/


Steve Jobsを「Builders & Titans」に見つける。
結局、誰もが全て「Icons」に分類?されてもいいのにな。

ふと、アーカイブの表紙を眺めてみる。カヴァーアートが切り取る、アメリカから見た時代の空気。
http://www.time.com/time/archive/
どこかで見た顔、記憶が蘇る光景、知らない絵、いつの間にか過去になっていたもの。
自分も年を取ったんだなぁ、当たり前だけど。

  • テロと戦争、そして核
  • 悪の帝国ソビエト
  • アラブと石油
  • 国内外の経済
  • 中国、日本
  • コカインや銃問題
  • 先端医療と病気

どこにでも口を出し、頼まれもしない警備(実戦)をしたがる世界の警察。得体の知れないモノに恐怖しながらも、恫喝し、強さを鼓舞する。JAPANなんて、まさに「得体の知れないモノ」1 2
自分が作り出した恐怖と絶望の中に、希望とフロンティアを見出そうともがき続ける。
Paul Hardcastle "19"を聞きながら思う。結局、今も、何も、変わってなんていない。


本当のヒーローを、アイコンを常に求め続けてきた国は、悲劇の一族を作り出すだけでは飽きたらず、ハリウッド産業を崇めたて、とうとう映画俳優を大統領に選び出してしまった。

そして、その国を代表する雑誌の表紙には、政治的には距離を置きたかったはずなのにどうしても無視できなかった、世界を飛び回る宗教のスーパーヒーロー、ヨハネ・パウロ 二世が、まるで皮肉のようにとても多く登場する。

ああ!そうだったのか。非キリスト教国で生活する不可知論者の私が今さらながら知る、亡くなった法王とそのカリスマ、そして、全世界が「良心のイコン」を喪失した深い悲しみの理由。


そして、2枚の表紙が、私を釘付けにする。

Attack on the Pope May 25, 1981
Pope John Paul II Jan. 9, 1984


"WHY FORGIVE?"
なぜ、許すのか?


暗殺未遂に終わった、ソビエトの手先の青年を、なぜ、許すのか?

それは、暴力の連鎖によって、何も解決しないことを法王が知っていたから。
そして、暴力の連鎖によって、何も解決しないことを知っている、一部の良識あるアメリカ人がメディアにも居るから。
願わくば、そう信じていたい。