軽く深く10年

26日で、デビュー10周年を迎えるスガシカオ@JO HALL。IMSホールでのアコースティックソロ「Hitori Sugar」が、如何にレアだったかを改めて思い知る。

「愛について」がオープニングで、「奇跡」がアンコールの締めという順番は、あれでいいのか? まぁ、いいんでしょう。とにかくベストヒットパレード。メガネのおもちゃ配って盛り上がる「PARADE」はアイドルコンサートのノリ。滑稽な振り付けをおじさんに強制しないでくださいって(少しヤルけどさ)。

10年前かぁ。

たまごっちブームの1997年。大国が批准しない「京都議定書」が採択され、諫早湾は断頭台の露と消える。フジモリは日本大使公邸から人質を、JobsはMicrosoftから資金を引き出すことに成功。U2は「POPMART Tour」をスタート。「うなぎ」がカンヌ、「HANA−BI」がベンチアで歓喜の渦の中、伊丹十三は自らの手でエンディングを演出。神戸で小学生が殺傷され、15年の時効直前で殺人犯が逮捕される。香港はイギリスから大陸に還り、トントンもイングランドの花も鬼籍に入る。大相撲は兄弟力士人気に、サッカーは「ジョホールバルの歓喜」に湧き返る。「私らが悪いんです。社員は悪くございません!」で「倒」で象徴される1年が終わる…。

「恐怖の大王」とか「2000年問題」の影に怯えながら、自分が何をしていたか思い返そうとするんだけれど、別にコレと言って思い出すこともなく。過ぎ去って二度と戻って来ないこともあれば、未だに解決していないことも。イヤなこともあったけれど、決してそんなことばかりでもなく、楽しいこともそれなりにあって。新しい楽しいことはまだまだこれから。って、そんなの、今でも一緒なんだけどね。

簡単に夢や希望を語らない歌い手は、痛みや切なさを抱えつつも、「紅白歌手」としての軽さすら身に付け、「ラヴソングをちゃんと作っていこうと思う。」と宣った。潔く、そして深い台詞ですよ、これは。

スガ シカオ - ALL SINGLES BEST

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