ろーかる記憶記憶
えーっと、ほら、あれ、何てったっけ? 親不孝通りの入り口にあった喫茶店。
今、吉野家になってるところに、あったよね。え? 親不孝通りは漢字が変わって、今は「親富孝通り」になってるって? いいんだよ、そういうことはどうでも。大体、ますます柄悪くてより不幸になってんだから。知りたいのは店の名前の方。
そう、ギャラリー「貘」のもうちょっと手前。カレー屋の通り挟んで反対の角。カレー屋って言っても、「貘」のちょい奥の「タージ」じゃなくてさ。それはもう大川に移転してる、巨大になって。いいんだよ、そういうことはどうでも。
昭和時代の店だよ。俺がアホなバーテンに酒引っかけられて大迷惑したよりも、Yさんがダイエーホークス時代の王さんや下柳に会うよりも、Mちゃんが「マリアクラブ」でヒャ〜ヒャ〜踊り狂うよりも前からあった店。だから、いいんだってば、そういうことはどうでも。
純喫茶で、壁に
『悪魔のように黒く 地獄のように熱く 天使のように純粋で 愛のように甘い』
の台詞が飾ってあって。終電ちょっと過ぎぐらいまで開いてて。飲み過ぎて、トイレに入ると同時に吐きまくるアホ続出で。違うよ、「風街」じゃないよ、それは改装して、今も昭和通り沿いにあるし。
確か、四字熟語的というか、三文字っぽかったような気がする。
和…そう! 『和蘭豆(らんず)』! あー、すっきりした! 検索しても、分からなかったんだもん。
いや、ただ、急に気になりだしたら止まらなくなってしまっただけなんだけどサ。いやー、いろいろ聞いてみるもんだなぁ。良かった、良かった。
あ、電話掛けてきたの、そっちだったっけ? で、何か用?