ミスしたその後

トレンドマイクロウイルスバスター」のパターンファイル(ウイルス定義ファイル)に不具合があって、大規模な障害が発生した事件から、そろそろ1ヶ月が経過する。

私が「ウイルスバスター」を使っていなかったのは、たまたま。VAIOにはSymantecNorton AntiVirus」の期限付きお試し版が入っていたから、ライセンスを買ってみた、ただそれだけ。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20050509/160477/index.shtml


それれはそれとして、私には、もう1つ興味深い点があった。
それは、JR西日本との違いだ。
この障害のニュースの直後に、あの列車の大惨事が起きた。

事故後のJR西日本の企業体質云々の話が巷にあふれていた時期に、列車事故の続報に隠れる形ではあるが、「ウイルスバスター」での問題の原因が徐々に分かってきていた。

そのような条件の下で、私は、これら2つの組織トップとしての対応に、ある種のはっきりとした温度差を感じた。


広範囲に使われるソフトウェアをろくにテストしなかったというトレンドマイクロの失態は、決して言い逃れはできない。しかし、情報がないままでもとりあえず会見を開いて、報告が随時上がってくるのを待ちながら7時間というのは、緊急事態としてそれも仕方なかっただろう。対策ツールをCD-ROMで緊急配布することを発表するまでも早かったし、何よりもまず、情報を隠さない姿勢は、評価して良いと思った。


確かに、「すべてのパソコンが復旧するまでは月給を594円にする」というCEOの発言は、意味不明のアメリカンジョーク?のようなパフォーマンスにしか思えない。ミスを起こしたパターンファイルの番号に「ちなんで」? おいおい、空気読めよ。デーヴ・スペクターからアドバイスでももらったのか?


とにかく、アンチウイルスソフトという「ライフライン維持ツール」メーカーとしての社会的重要さも、改めて認識した出来事だったことは間違いない。確かに、私自身は直接的な被害は無かったものの、対岸の火事ではないのも事実。しかし、だからといって、もはやSymantecMcAfeeを全面的に信頼していると言い切れないのが、正直辛いところなんだけどね。

どうするよ?デーヴ。