BMWでSMを

久しぶりに、ちょいこってり感のあるものを食べたくて久しぶりにこの店に来る。町の洋食屋さん、って感じかな。BGMでは、Shirley Basseyが"Gold Finger"を歌っている。もう、「あんこ椿」もまっつぁおって感じで、「ごぉぉぉおるど ふんがーっ」と歌い上げていて、早速、こってりワールド。

ここのメニューは、非常に興味深くて前からずっと気に掛けていた。シーフード、ビーフ、ポーク、ハム、ハンバーグなどのいろいろな種類の具と、S・M・Lの3つのサイズとを、頭文字を2つ組み合わせた略称がオーダー名にになっている。メルセデスの型番か、携帯の機種みたいだ。メニューはまるでExcelのシート。

ただ、興味があったのはその仕組みではなくて、それが実はあまり意味がなさそうなところ。一見、極めて整然とシステマティックな風を装いながら、実は、そんなに合理的でもなさそうで。システム側の都合で付けられた符号が必ずしも効果的だとは限らないんだよね、「えむ?える?」と聞き返さないと自分の側ですら正確に把握できないってのは。


「『そこがちょっと違うんだサンド』、ください。」「『森のきのこたちの大騒ぎ』、ください。」とか言えないから「これを2つ。」「15番。後で紅茶を。」とか言うし、「ねぎつゆだくぎょく。」で通じるんならそれもいいかとも思うけど。

そんなつまらないことをじみじみ考えながら、結局、「BM」とかオーダーせずに、この表とは別扱いのメニューをオーダーしてしまう弱気な私。ダブルサイズだったらやっぱり「BMW」なんだろうか。

しかし、いちごの食前酒も、梨のコンポートも、チョコレートも、シャーベットもいいんだけど...糖尿にさせる気?おばちゃん。記号言うより、会話できながらオーダーできれば、私はそっちの方が楽しいんだけどさ。

でもなあ、「リーチ一発ツモ平和ドラいち裏ドラ2」でも計算できないし、「タゾ・チャイ・ティー・ラテのアイス、グランデで、ホイップクリームも。」なんて言ってても、違うものが出てきても分からないんだな。