Ride to EXIT

大都会東京というローラーコースターにライド。乗り物か、乗っている自分か、どちらが本当にロールしているのか分からなくなる。

自転車を見ない。赤ん坊を見ない。おかげで、無灯火でメール打ちながらぶつかってくるバカ者も居ないし、場所を取る双子仕様ベビーカーなんかも絶対に見ない。人の多さのおかげで、歩きタバコやってるアホも場所によっては少ない。

急いでるんだから迷ってる余裕はない。そりゃ、携帯でいろいろチェックもするでしょう。移動時間の有効活用は至上命題。音楽プレーヤーの市場はまさにココだね。寝れば乗り過ごしが心配だし、本を読めばますます目が疲れる。かといってあちこち視線を漂わせたり、余計な動きをすれば、いついわれのない犯罪者に仕立て上げられるとも限らない。現代の世の中で必要とされている技術や情報の多くは、この混沌の雑踏の都合に左右されているんだな、なんてことを思う。

でも、列車の乗り換え経路について考えたりする必要がなかったり、無邪気でアホなガキに不覚にも和んだり、ぼーっと煙をくゆらせている人を眺めるようなゆとり、そんなものが到底許されないサイクルで高速に動いていることって、シアワセなのか?

自分で動かした分だけ進むものとか、流れる風景で移動を把握するものから大きく離れることは、とても不安。相手の細かいプロファイルを把握していなくても、趣味・嗜好が合わなくても安心できる時間はあっていいのに。自分で進んで選んだ訳ではなかったけれど、他に選択肢がなかったのも事実。分かっていても、降りるまでは降りられない。

そんなことばかり考えているうちに、また乗換駅に着いて次のライドへと押し出される。