大叩きで大安売り

連日の飲酒運転事故を巡るニュース。モラルだ、マナーだ、って、あーた、まるで今までちゃんとあったかのような。
『暗黙ではあることになっていたけれど、実は無かったのかも。でも、そんなのダメです、許しませんとも。許してもなかったんだし。』
って、旦那のへそくりの使い込みを見つけたおかみさんかよっ!っと突っ込みたくもなるけれど、そんなことも絶対言えないようなピリピリした空気。


酒飲んで人をひき殺すことに正当な理由なんて全くない。ひき逃げして酔い覚まししてから出頭すれば、結果的に逃げ得だなんて、もうコントだよ。危険運転致死傷罪が二輪車適応外なんて意味不明だし。


でも、こういう厳罰化って、本当の意味での抑止力になるんだろうか? タバコの自動販売機の認証しかり、携帯の規制しかり。分かりやすいスケープゴートを求めて渦巻く、ともすると表層的でヒステリックなエネルギーには、自分もついつい流されてしまう分、何だかちょっと違和感も感じてしまう。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/20354/


良いかどうか、OKと思える状況かどうか、葛藤や後ろめたさ、自分のエゴと他者への配慮とのせめぎ合い、できるけどやらない、やっちまったらどうリスクをクリアするか工夫する…ぐらいなら最初からやんなよ、そんなゆらぎも含めての判断さえ放棄する。それって、いいのか? 責任と自由のセット、両方をどんどん即売で大安売りしていると、結局、いつか大きなツケが回ってくる悪寒がするんだけれど。被害者が既に、心ならずも一方的に無理矢理先払いさせられてる大きな代償以外に、さ。