野菜の旨みタップリ

…久しぶりに、誰も死なない映画を見るよ…。

これが「ウォレスとグルミット」シリーズ初の長編映画化だったとは驚き。時々、CGエフェクトが被るものの、全編クレイアニメーションアカデミー賞長編アニメーション部門賞受賞も納得。DreamWorks SKGのリンク張っておくんだから。
http://www.dreamworksanimation.com/dwa/opencms/movies/movie_wandg.html

いつもの事ながら、ウォレスが作る機械や装置も、最先端っぽくメカメカしくていながらどこまでもアナログ。イギリスの街角や生活が細かいところまで丁寧に表現されている。野菜(畑)がテーマだけあって、土や木、植物が沢山出てきて、アスファルトや金属、ガラスの冷たさが無いのも温かさを演出している。
原題は「The Curse of the Were-Rabbit:うさぎ男の呪い」とオドロオドロしくも、敵役たちも、どこまでも愛すべきキャラクターで描かれる。誰も、洒落にならない程に傷つく・傷つけることはないのは、「肉」じゃなくてまさに「野菜」な感じ。自然に対する人間の過剰な関与にチクリとやったり、追い詰める相手が実は自分の中にあったことを知るショックなどもちょっとだけ想像するけれど(考えすぎなのは分かっているけど)、でも説教じみたことは一切何もなくどこまでもドタバタ。
グルミットのような、冷静で知的、毒を吐くこともなく、行動力があって、しかも無口な参謀が欲しいと思わずにいられない。