磯川さん、あなたは…
久しぶりに、横溝シリーズの映画など観る。
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2004/05/28
- メディア: DVD
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ありとあらゆる手法で恐怖や戦慄が描き倒されている現在、30年前の作品を見れば、脚本やトリックが複雑な訳ではなく、カメラアングルやSFXにも派手さなどどこにもない。しかし、その分、俳優自身の演技が生々しい。
名匠、市川崑のメガホン。若き日の石坂浩二が演じる金田一耕助(地毛だって!?)は、テレビシリーズの古谷一行バージョンより脂っ気が抜けている分、好印象。大女優、岸恵子の演技が素晴らしく、そこに絡む若山富三郎の味もとても深みが溢れる。三木のり平、これまたナイス。動く常田富士男も。
フィルムの画質の荒さですら、全体の雰囲気に一役買っている。真の恐怖とは宇宙人の襲来でも、未知のウイルスの猛威でも、ロボットの暴走でもなく、人間の奥深くに潜む闇であることを思う。逃れられない業。日常の中に潜む異常と、その裏返し。恐怖は、いつも身近に。
この作品を観たことが無い?観たけど覚えていない?ただの、懐かしいホラーだと思ってる? ぜひ、ご覧あれ。
この映画のエンディングは、「ルパン三世 - カリオストロの城」と並ぶ、心に深く残る日本映画の名場面なんですから。