糸が切れたパペットは

元アイドル、解雇。

http://news.livedoor.com/article/detail/3217137/

チヤホヤ騒がれるようなただのお飾り用パペットには別に興味も無かったけれど、その糸が切れ、崩れ落ち、そこから自分で動き出す様子にはちょっとしたドラマを感じていた。

どん底辺りを彷徨っていた時だったんだろうか、いつかテレビで見かけた、明らかに目の焦点が定まっていない、ぽよ〜んとオーバードーズ後みたいな、失敗したベーグルのような雰囲気で芸能レポーターたちに囲まれている姿を見た時には、正直、不気味さと、痛々しさと、息苦しさを感じた。

それがいつの間にか、バラエティー番組などでの数々の試練を経て?復帰。

ちらりと見かけた中では、いつの間にか、とても魅力的に見えるようになっていたけど。人形から、人間に変わった輝きを見たし。ちゃんと中身が詰まってるというか。ああ、この人はやっと自分を自分で捕まえることができたんだな、死んだから生き返ったんだなとも思ったし。

そして、それはあくまでも大衆が間接的に見た単なる外見であって、中身はそれほど平穏でも無かったということなんだろうか。自分のために男が作ってくれたと思っていた歌が、その男自身によって他の女に歌われるのに耳を傾けるなんて、痛々し過ぎるってば。

仕事に穴開けまくってたとか、連絡すらつかなかったとか、男だ薬だへの依存症だとか、そりゃ、いろいろ叩かれて仕方ないところもあったんだろうけれど、もうちょっと、こう、何とかならなかったものかなぁ。飲んだくれるなら、もっとこっちの近所にならなかったものかなぁ、とかも含めて。

でも、彼女にとって、叩かれ、晒し者になり続けても、人目に触れる場所に居続けることが本当にいいのか、使い捨てられ、忘れ去られることと引き替えに、自分の体と心に合う時間を手に入れるのか幸せなのか、それは誰にも分からないんだよね、結局のところは。

ただのタレントの浮き沈みというだけならここまで興味もないんだけれど、これって、『俺には全く何の関係もないよ』とは言い切れない気がするから。

何とか、彼女自身が望むステージの上に戻れる日が来ることを、願いますョ気まぐれでも。

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