A for Angry Adult

まだ1月15日が成人の日だった頃をふと思い出す。

その日は、成人式には出ず、全く別のところでとても幸せな気分で時間を過ごしていた。
日差しが暖かだったのか、暖房のせいかは覚えていないが、祝福に浸りきる気分は特別だった。
楽しくて、穏やかで、輝いていた。多分、そうだったんだと思う。最初のうちは。

しかし、そのあり得ない程の幸福感は徐々に違和感に変わっていった。
いつまでも続いて欲しい時間と、そうはならない現実との乖離ばかり考えた。
まるでシルエットのように、一方が他方をくっきりと際だたせるのだった。
理由もなく与えられ、自分だけが教授できる、フワフワとした居心地の良さこそが、
一層自分を居心地悪くさせた。

いつか必ず来る終わりを待つぐらいなら、自分から去りたかった。
ざらざらした感情の重さと虚無感に耐えられそうにない…
食べていた料理を戻したり、涙が抑えられなくなりこそしなかったけれど、
何を話して、何を食べたか、その後何をしたかなんて、何も記憶に残っていない。

若かった、荒んでいた、怒っていた。
今は、どうだ? 怒りだけでも取り戻そうよ、折角の今日。