愛も孤独も止められない10人目

春はどうやら自分の中で、切ない群像劇を見たい季節になっているらしい。
http://d.hatena.ne.jp/coool51/20060413

録画やレンタルだけして見ていなかった作品を消化する時に、「もし、これが人生最後に見る作品だとしたら、どれ?」を基準に選んだ『Magnolia』を見る。

マグノリア [DVD]

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仮にそうなっても、少しも後悔しなかったストーリー。数多くの登場人物も、3時間を超える長さも気にならず、うっかり感動すらしてしまった。

人生の終焉を迎えようとする人、誰かに振り回される人、愛と孤独に苛まれる人、過去の苦悩をずっと抱えた人々…。
『Crash』の時同様、映画の中に自分を探す。憎悪に満ちたSEX教教祖と、絶望の元子どもクイズ王、瀕死の夫の姿に後悔する妻の間あたりか。

ラストの「雨」は、ちょっとホラームービー的だとも思えそうだったけれど、ネットで深い宗教的意味を知ってとても納得(「雨粒」のサイズと量が尋常ではないけれども…)。確かに、そこに至る伏線がいろいろなところにありました。


Aimee Mannが歌う"Wise Up"が、深い。
iTunes Storeで探すものの、サウンドトラックアルバムにないので、代わりにライヴ版をダウンロード。でも、映画の途中、主要な登場人物9人が順番にフレーズを口ずさむシーンに流れる、静かなピアノベースのメロディーがいいのです。

"It's not going to stop 'til you wise up"
終わらない 止められない 賢くなるまでは


10年前の映画を見て、10人目として、ここで歌い続ける。