闘い終わって日が暮れて

トリノオリンピックより興奮して見てしまいました、WBC決勝。まさか優勝するとは思わなかったな。本当に信じられないよ。

http://www.sponichi.co.jp/baseball/japan/2006/wbc/photo.html

でも、悲観主義者としては、やっぱりイヤな胸騒ぎも覚える。

勝ったのはいいけれど、そもそも強行日程や変則的ルール、対戦組み合わせに興業収益まで、MLB側に好き放題やられていたことを忘れてはいけない(勝率では韓国が上回っていたことも事実)。誤審がヤツらを象徴してとても印象的だった。あんたら、fairとかfreeとか、都合良く使うのが好きだもんね。3年後、どんな態度で出てくるわけ?

高慢な輩のお膝元で、本家以外のチームが胴上げするという点では、決勝戦が始まる前で既にある程度溜飲は下がった。目をそらすように、向こうのニュースではBally Bonsの禁止薬物使用暴露本がメインと聞く。飼い犬に手を噛まれて嬉しいはずもなく、本気で怒らせたか?OK、上等。怒らせたら、さて、次はどうなる? 松坂より、上原が良かったんじゃないかな。とにかくMLBでの市場価値が上がったのは確か。ロッテ勢しかり、キューバしかり、韓国しかり。「ふん、面白くない。しかし、買えるところは買え、じゃなきゃ亡命させろ。」最高の国際見本市だったはず。

イチローは無邪気に喜んでいたけれど、彼が去年から自分のスタイルを変えた・変えざるを得なかったのは、MLBに暗黙の人種差別的圧力やスモールベースボールへの嫌悪感があるんじゃないだろうか。5年間でどんなに記録を塗り替えようが、克服されることを圧倒的な力で拒絶する「何か」。この優勝が、首脳陣と不協和音がありここのところ低迷しているチーム内で、彼がますます孤立するきっかけになってしまった危険性もある(つーか、それすら計算済みかもしんないけど)。そこんとこ、頼むよ、城島。

高校野球にあったけれど、プロ野球になくなっていったもの。それは海の向こうのレベルの高いところにあると今まで信じて疑わなかったけれど、実は、自分たちの足下にその原点があったのかもしれない。最初から公平で自由だったし。小学6年生で唯一5年生チームに入れられた時の私の気持ちは、イチローが「ボクの野球人生で最大の屈辱的な日です」と代弁してくれたし。

ああ、それにしても、こんな気分は、子供の頃、高校野球を熱心に見ていた時以来だなぁ。みんな、みんな、本当にありがとう!