Happy Birthday, Roy.

素敵な声って? そうでしょう。ロイ・オービソンという人。このビロードのような艶めかしい独特のヴィブラートの声は、『ヴェルヴェット・ヴォイス』とも言われていてね。

Black & White Night

Black & White Night

Bob Dylanのように詩を書き、Duane Eddyのようにギターを弾き、Roy Orbisonのように歌い、Phil Spectorのようなアルバムを作りたかった。何よりもRoy Orbisonのように歌いたかったんだ。」と語っていたBruce Springsteenの言葉で初めてRoy Orbisonという人を知ったな。

Roy Orbison singing for the lonely
Hey that's me and I want you only
ロイ・オービソンは孤独な者にために歌っている。それはまさに俺のこと。
-- "Thunder Road" (Born To Run : 1975)

昔の人だから、リアルタイムでは知らないんだけど、彼は、交通事故で奥さんを亡くしています。さらに、自宅火災で子供まで失っています。それほどの人生の悲劇があってすら、そして時代を超えて今なお、人の心の深いところを揺さぶる声をどうして出せたのかは、私には分からない。

でも、彼がずっと掛けているサングラスは、相手を威圧するためのものじゃなくて、優しい声色に隠した深い悲しみを静かに守っているシンボルのように感じるよ。だって、ラジオから流れる彼の歌声が、BOSSに「孤独な俺のために歌ってくれている」なんて言わせるほどに優しく包み込んでいたなんて、本当に温かい人なんだろうなぁと思うし。

あのね、実はちょうど彼の誕生日なんです。
Happy Birthday, Roy "The Big O".
70歳。生きていれば。