あれも旅、これも旅
もう、分厚すぎて外に持ち出すのがひと苦労だし、まだまだ梅雨だし、W杯進行の特別スケジュールだしで、ちっとも読み進まないこの本。
- 作者: ミーシュカ・アサイアス,五十嵐正
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2006/03/24
- メディア: 単行本
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とりあえず、自分にはどれも関係ないんだな。
直接は。
今のところ。
多分。
確かに、そのどれもがこの世界という同じ町内にとって深刻な問題かもしれないけれど、とにかくこっちは隣近所の困った住民たち(このサイレンは絶対に聞きたくない!!)、金遣いの荒い身内のことで手一杯なんだよね。正直なところ、彼の言葉を一言一句追っても、皮膚感覚で理解できる訳ではないし、全てをその通りに納得できるところばかりじゃないから。でも、そんな自分の意識も何もかもひっくるめて、ひとつの大きな世界、ひとつの旅に組み込まれてるんだよな。
そして、NBCのポッドキャスト番組も一緒に見る。
http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewVideo?id=160447921&p=156472479&s=143441
ちょっとタイムラグがあるし小さな画面とはいえ、こうやって活動風景が分かる番組が手元で見られるなんて、凄い時代だな。しかし、なぜ、この人はこれ程までに執拗に、こんな問題に取り組んでいるんだろう? いつ、流れ弾が来てもおかしくないような路肩を歩いたり、心細いシステムっぽい証券取引所へ足を踏み入れたり、蚊帳の工場を訪問したり、一体、何しているんだ? 子供たちと笑顔で接していても、実は、ちっとも喜んじゃいないんじゃないか?とも勘ぐったりする。
よく音楽やってる暇があるな、とは思ってしまう。どっちが片手間なんだと言いたくなるのもわからないじゃない。でも、4月のジャパンツアー中止を「最初から日本になんか来るつもりなんてなかったんだろう!」なんて穿った見方をして逆恨みするのは浅はか過ぎて溜息も出ない。富や名声、正義感や権力だけじゃ説明できない、強い怒りと深い嘆きに突き動かされる衝動がなかったら、こんなにもハードな日々は続けられないはず。私も、分からないなりに、言ってることに耳を傾け続けるよ。
娘のピアノの先生にレッスンしてもらって、またさらに新しいリズムを発見したってのは、彼にとってまた新しい旅なのかも。どれが、どれぐらい、ってことより、全部ひっくるめてひとつなんだろうから。