ノンフィクションNOW
原作を読んだ時のことはもう忘れてしまったけれど、見終わった後のこの感覚。最悪に気分が悪くなる時に決まって襲われる。膝とアキレス腱から全ての力が抜けていくのと反対に、首の筋肉が異常に緊張する。映像表現の生々しさを改めて感じる。本当に病院に行く前なんかにこれを映画館で見なくて良かった。絶対にレバ刺しなんか病院で出さないでください。気晴らしにせっせと部屋の掃除をしながらじゃないととても正視できない。
- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- 発売日: 2001/12/21
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なぜ殺すのか?命とは? 戦時下、軍部に絶対服従の環境での諦めの中、良心の呵責に苦しむ勝呂に対して、戸田は「執着は迷いを生む。」と吐き捨てる。しかし彼もまた、無感覚な自分の内側に痛みを抱える。
この映画とは別に、実際の生存者の証言も見る。戦時の狂気の中にも、最先端医療技術者としての純粋な探求心や興味も語られる(鳥越さん、腕の組み方・脚の組み方・髪型、いつも全部変なんですけど…)。
http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/
このストーリーが作り物なんかじゃなくて、紛れもない歴史の事実だということを、一体どう捕らえればいいのかな。60数年前のこととはいえ、舞台が福岡だから出てくる地名やカメラアングルだって妙にナマっぽく感じる。象牙の塔を象徴するヒエラルキーにしたって、ただ表に出なくなっただけで、今も脈々と受け継がれているんだろうし。大体、この実験結果だって、細菌兵器の研究開発を行っていた石井731部隊のそれと同じで、巧妙にかの国に吸い上げられて行って、回り回って今、自分たちに使われるかもしれないことも容易に想像できる。昔々、こういう怖いことがありました、なんてお伽噺になり得ない暗い余韻が後を引く。
馬出の建物は、もう屋上から海を眺めたりできないんだろうな。それでも、今でも潮風が海から吹いてくる。