湯屋にて:リプライズ

「おー、今夜はよか男ばっかおって、ホストクラブんごたんあるね。」
「あ、こんばんは。」
「3丁目の湯には、行かるね?」
「は?」
「向こうんとこに、もう一つ風呂屋があるでしょうが?」
「あー、すみません、そのー、私、地元じゃないんで…って、何でこう、毎回毎回説明させられるかな。
「あ、そうね。あそこは、もう、いろんな病気が治るけんね。」
「そうなんですか。」
「あんた、鏡の前で『俺は格好いい!』とか思いながら、うっとり2時間も3時間も過ごしたりせんめーが。」
「そんなことある訳ないじゃないですか! でも、ナルシストに効く風呂なんて聞いたことないですよ。」
「いっぺん行ってみなっせ。」
「大体、何で私にだけ、その"3丁目の湯"での病気治療を勧めてくれるんですか?」
「まぁ、よかたい、冷えるけん湯船に入り。」

全国風呂自慢の宿~中国・四国・九州編

全国風呂自慢の宿~中国・四国・九州編


「てか、最初っから『よか男ばっか』の中に私入ってなかったんでしょう?嫌がらせですか!?」
「あんた、何年生まれね?」
「昭和…の途中の頃ですけど。」
「あん頃の日本は良かったとって。朝鮮戦争特需とか、オリンピック、万博で、日本が一番良かった時やな。1ドル270円とかだったでしょうが。」
「そう…なんですかね、その頃は良く知らないんですが。」
ジャイアンツもV9ん時代が凄かったもん、それに比べたら今のは酷か。」
プロ野球、あんまり詳しくないんで。」
「こないだ、新幹線で、芸能人のXXくんと隣やった。」
「はぁ…」
「最近、景気が悪ぅてあんまり儲からん、って言いよったもん。」
「そんなもんなんですかねぇ、芸能界のことはあんまり知らないんで。」
「それとか、テレビに出とるXXXXX、おるやろうが。『XXXXXXX・XXXX』やら歌いよったのが。」
「はあ…」
「あいつ、売れてないとき、XXXXをXXXXでXXXXXしよったもんね。」
「それ、事実だとしても、そうじゃないとしても、名誉毀損でアウトでしょ。」
「こないだ、田宮二郎のこと、テレビでやりよったろうが?」
「すみません、テレビはあんまり見ないんで…」
赤木圭一郎って知っとーね? あれらもXXXやったもんね。」
「古いよ! おとうさん、まさか業界のフィクサーですか…てか、どう考えても全部自主規制にさせてもらっていいですか…ブログ対策に『そのまんま載せられるもんなら載せてみろ!』って感じのノリなんですけど。いえ、いいんです独り言で。」
「何ね、あんた、つまらん人やね。」


「おとうさん、キホンてきにひとのはなしきいてないでしょ〜」
「安倍さんが何で辞めたか、知っとるね?」
「あの〜、おはなしをもっときいていたいのはやまやまなんですけど、もうあがってもいいですかねぇ〜? このゆ、ありえないほどあつくてのぼせそうでぇ〜」
「んぁ? ああ、すまんすまん、私ゃあんまり風呂に入らんけんな。」
「へ!?」
「あんた、よその人やったね、こんな熱い湯船、地元の人間は誰も入らんよ。ここ、熱すぎる湯を冷ます"湯溜まり"やから。はよ上がり。」